海外基準(米国・スイス)で核シェルターはどう設計されているかを、アンカーシェルター吉山社長が答えます

海外基準(米国・スイス)で核シェルターはどう設計されているか

――「感覚」ではなく“要件”として定義される防護構造物

米国やスイスで核シェルターが「特別な設備」ではなく、合理的な防護構造物として扱われる背景には、設計が“雰囲気”ではなく要件(requirements)で語られる文化があります。つまり「分厚いから安心」といった感覚的な議論ではなく、どのリスクに対して、どの構造で、どの程度の性能を担保するかが、文書・基準・検証の形で整理されているのです。

米国:まず“参照すべき公的ガイド”が整理されている

調査報告書では、米国で核シェルター(防護空間)を考える際に参照される資料として、FEMAの複数文書が挙げられています。たとえばFEMA P-320、P-361、FEMA 453などです。アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版
これらは主に安全室(Safe Room)や防護空間の設計・施工の考え方を体系化しており、ポイントは「根拠が文章化され、誰が読んでも同じ方向へ設計判断できる」ことです。

ここで重要なのは、海外基準の考え方が「核シェルター“だけ”の特殊論」ではなく、危険を分解して性能要件に落とす工学的アプローチだという点です。核・爆発・放射性物質という極端なリスクであっても、設計の入口は“工学の言葉”で始まります。

米国国防総省:地下・材料・寸法・換気が“具体条件”として書かれている

報告書では、米国国防総省が採用している核シェルター関連の技術基準の一部として、建設条件や寸法、材料が列挙されています。たとえば、

  • 立地・地盤:地震や爆風、放射線の影響を受けにくい地盤を選ぶ(アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版)
  • 設置方針:構造物は地下深く、または山や丘陵の中に建設する(アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版)
  • 水害・地滑り等の調査:地下水位や降雨量などを調査しリスク回避(アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版)
  • 換気:空気循環/排気システムを備え、外気を取り入れない方向で設計(アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版)
  • 収容スペース:最低でも1人あたり10平方フィート(約0.9㎡)を確保(アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版)

…というように、検討項目が「チェックできる言葉」で書かれています。
ここが、日本の一般的な“商品比較”と海外基準の決定的な差になりやすいところです。海外では、扉や壁の見た目より先に、「地盤・地下水・換気・寸法」という生存性に直結する条件から詰めていきます。

さらに別の箇所では、国防総省の「Design Criteria for Hardened Structures」に触れ、建築物は最大爆風圧力、最大放射線線量に耐えることが求められる、としています。アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版
つまり“耐えるべきもの”が爆風・放射線として明示され、そこから逆算して構造を組む発想です。

多層構造:単一素材に頼らず、組み合わせで性能を作る

報告書内の技術基準では、外壁は最低2つの異なる材料で構成すべき、といった考え方が示されています。アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版
加えて、壁・屋根・ドア厚や、入口は2つのドア(いわゆる二重化)などの基準が列挙されます。アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版

この「多層」「冗長(入口の二重化)」という思想は、核シェルターに限らず安全工学の王道です。
“どこか1点が破られたら終わり”ではなく、複数の層でリスクを薄める。ここが、海外基準が“感覚的な安心”に寄りかかりにくい理由でもあります。

換気:HEPAやエアロックを前提に「汚染を持ち込まない」

民間側のレポート要約として、エアロック(空気密封室)の考え方、専用換気、HEPAフィルターの利用が紹介されています。アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版
このあたりは、家庭用核シェルターでも誤解されやすい部分で、単に「密閉できる」では足りません。外部が汚染されうる状況では、空気の入口こそが“最大の弱点”になり得るため、海外の発想は“空気をどう制御するか”に重心が置かれます。

スイス:想定シナリオ(爆発距離・高度)から設計を組み立てる

報告書には「スイス基準、米国基準のシェルターも600メートル離れた場所で爆発した場合を想定して設計されている」という記述があり、核爆発が空中で起きる想定(高度600m等)に言及しています。アンカーシェルターの海外の核シェルターに関する調査報告書-最新版
ここでのポイントは、「怖さ」ではなく、前提シナリオを置いて設計を成立させるという姿勢です。海外基準は、シナリオを置かずに“なんとなく強そう”を作るのではなく、「どの距離・どの条件の何に耐えるのか」を決め、設計・検証へ落とします。

日本で海外基準をどう活かすか(結論)

家庭用核シェルターを日本で考えるとき、海外基準は「そのまま輸入するもの」ではありません。住宅事情、地盤、法規、施工環境が違うからです。
ただし参考になるのは、設計の優先順位です。

  • まず 地下・地盤・地下水(成立条件)
  • 次に 換気・気密・汚染対策(生存条件)
  • そして 多層構造・冗長性(入口の二重化等)
  • 最後に 内装・快適性(長期滞在の現実性)

この順番で考えると、価格や見た目の比較より先に「必要条件」が見えてきます。海外基準が示しているのは、まさにこの“合理的な順番”です。核シェルターは感情ではなく、条件と要件で冷静に検討されるべき防災シェルターだと言えるでしょう。

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