家庭用核シェルターは防災対策にも利用できるのか?
――アンカーシェルター吉山社長に聞いてみた
家庭用核シェルターは、核災害だけでなく、地震などの防災対策としても使えるのか。
この質問は、お問い合わせの中でも特に多いテーマです。今回はアンカーシェルター代表・吉山に、その考え方を率直に聞きました。
―― 家庭用核シェルターは、防災対策としても有効なのでしょうか?
吉山:
はい、条件付きではありますが、防災対策としても十分に機能します。特に地震に対する備えという点では、地下核シェルターは構造的に有利な面があります。地下は揺れが比較的安定しやすく、また倒壊物の直撃を受けにくい環境です。
当社の家庭用核シェルターも、耐震性を前提とした構造設計を行っており、「地震後に一時的に安全に退避する場所」としての利用は想定しています。
―― では、すべての災害に対応しているのでしょうか?
吉山:
いいえ、そこははっきり線を引いています。
当社では、水害や津波に対しては、一般的な埋設型の地下核シェルターでは十分な安全性を確保できないと考えています。そのため、そうしたリスクが高い地域や用途については、お引き受けしない方針を取っています。
これは技術力の問題ではなく、安全に対する考え方の問題です。
水害や津波は、浮力・浸水・長時間の水圧などが関係し、構造条件がまったく異なります。通常の地下核シェルター設計では、それらに対して「確実に安全」と言えるレベルまで強度を高めるのは現実的ではありません。
―― 対応しない災害があると、ネガティブに受け取られませんか?
吉山:
むしろ逆だと思っています。
「何でも対応できます」と言うのは簡単ですが、それは本当の意味での防災ではありません。当社が大切にしているのは、できることと、できないことを明確にすることです。
家庭用核シェルターは万能ではありません。
だからこそ、対応できる範囲では確実に機能させ、対応できないリスクについては最初からお断りする。これはセキュリティポリシーであり、お客様の命を預かる立場としての責任だと考えています。
―― 防災用途として、どういう使い方が現実的でしょうか?
吉山:
現実的なのは、地震発生後の一時退避場所としての使い方です。
例えば、余震が続く中で屋内に戻るのが不安なとき、情報を整理し、家族で落ち着いて過ごす場所として使う。電源や換気、トイレが確保されていれば、無理に外へ出る必要はありません。
核シェルターは「閉じこもる場所」ではなく、判断のための時間を確保する場所です。この考え方は、防災シェルターとしても非常に相性が良いと思います。
―― 最後に、防災として検討する方へメッセージをお願いします。
吉山:
家庭用核シェルターは、防災対策のすべてを担うものではありません。
ただし、正しく使えば、非常に強力な“選択肢のひとつ”になります。
当社では、地震などに対しては現実的に対応できる設計を行い、水害・津波のように構造上リスクが高いものについては、最初から扱わない。この姿勢を貫いています。
防災とは、不安を煽ることではなく、冷静にリスクを切り分けることです。
家庭用核シェルターも、その一環として、正しく理解したうえで検討していただければと思います。
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